「帯を締めて靴をはきなさい」  no.20   

                              20170122

聖書 使徒12:117

1.   ヘロデ王の迫害 V14

 当時、ユダヤを統治していたヘロデ王は教会の中のある人々を苦しめようとして、ヨハネの兄弟ヤコブを捕らえて剣で殺しました。それがユダヤ人の気にいったのを見て、次にはペテロを捕らえにかかりました。それは種無しパンの祝い時期でありました。 

これはイスラエルの民がエジプトから脱出するとき、神がモーセに命じて過ぎ越しに因んでいます。十の災害の最後のもので、家の門、鴨居に羊の血を塗っておくなら、神の使いはその家を過ぎ越し、その家の長男は難をまぬかれ、殺されない。しかし、主の命令を無視して門と鴨居に血を塗っていない家の長男は主の使いによって、殺される・というものでした。その時パロ王の息子も死にました。このことがあって、やっとイスラエルの民はエジプトを脱出することができました。それ以来、イスラエルの民はこの過ぎ越しの祭りを永遠のしるしとして行うようになりました。その祭りの中で、仮庵に住み、タネを入れないパンを食べなければなりませんでした。 これはやがてイエス様が十字架にかかり、血を流すことによって、人類の罪が赦されて、神の子どもとされ、永遠のいのちを与えられることにつながります。 

ペテロは捕らえられて四人一組の兵士、四組つまり16人の兵士に引き渡されて監視されることになりました。ヘロデ王は過ぎ越しの祭りの後、民衆の前に引き出して公衆の前で殺す考えでした。

こうしてペテロは捕らえられ、牢に閉じ込められていました。

2.   教会の祈り V5

 「こうしてペテロは牢に閉じ込められていた。教会は彼のために、神に熱心に祈り続けていた。」

クリスチャンはこういう場合、集まって祈ります。その家は非常に大きな家で、ペンテコステの日に120名もの人々が集まっていた、ヨハネ・マルコの家、マリヤの家でした。

{Ex} シャローム福音教会にいたとき、牧野亜由美さんという方が中学2年生のとき、風邪のビールスが脳に入って非常に危険な状態に陥りました。お母さんは熱心に早天祈祷会にも出席してお祈りしました。美容室を経営していましたので、夕方、店を他の人に任せて毎日、聖マリアンナ病院に駆けつけてお祈りし、語り続けました。医師も看護師も彼女は助からないと思っていました。3カ月間、彼女は植物人間のようになっていました。しかし、神は奇跡的に彼女が意識を回復し助かるように導いてくださいました。

 そこに集まっていたのは何人かわかりませんが教会に集まって毎日、熱心に祈り続けました。

ところが、実際にペテロが奇跡的に牢から助け出され、彼らの集まっていたところに表れたとき、ロダという女中が応対に出ました。それがペテロだとわかると急いで祈っていた皆のところに行って報告しますと、「あなたは気が狂っているのだ」と言って信じません。彼女が本当だと言い張りました。そこで彼らは「それは彼のみ使いだ」と言っていました。しかし、ペテロがたたき続けていたので、出てみると、なんとそれはペテロでした。

 私たちは時々、祈っていながら、実際にその祈りが聞かれた時、まさか、と思って信じないことがあるのだ、とこの個所から教えられます。わたしたちは現状を見て、それは不可能だと思い込みます。表面的には祈っていても信じていないことがあります。

3.   実際に起こったこと V410

 ヘロデ王がペテロを引き出そうとしていた前日、二本の鎖に繋がれて二人の兵士の間で寝ていました。そのほかの兵士たちも一緒でした。゛全部で16人です。このような状態から逃げ出すことは絶対に不可能に思われます。恐らく他の弟子たちはその状況を知っていたと思われます。絶対にこの牢からは逃げられないと信じていました。誰もがそう思ったでしょう。

 ところが、夜中にみ使いが現れ、光が牢を照らしました。み使いはペテロの脇腹をたたいて彼を起こしました。「急いで立ち上がりなさい」と言いました。するとペテロの手から鎖が落ちました。そして、み使いはいいました。「帯を締めて、靴をはきなさい。」ペテロはみ使いの言葉に従って行動しました。「上着を着てついてきなさい。」ペテロは現実に起こっていることが何かわからず、幻を見ているのだと思いました。

第一、   第二の衛所を通り、町通じる鉄の門のところまで来ますと、門はひとりでに開きました。そこで彼らは外に出てある通りを進んで行くと、み使いはたちまち、彼を離れました。そこで、彼は初めて自分がみ使いによって、ヘロデの手から、そして大勢のユダヤ人が待ち構えていた全ての災いから私を救い出してくださったのだとわかりました。

[Ex] 昔、インドで宣教していたサンダーシングのことを思い出しました。彼はある人々から迫害されて古井戸の中から救い出されました。誰かが、布の帯のようなものを投げ込んでくれたので、古井戸から引き上げられましたが、井戸から上がった時には、そこに誰もいませんでした。彼は確かに自分が救い出されたのはみ使いによるのだと、確信しました。

4.   結論

 神は現代においても奇跡を行う場合があります。神は全能の主です。イエス様の母となったマリヤがまだ結婚する前に、み使いから男の子を産むと言われたとき、どんなに大きなショックを受けたことでしょう。当時の社会では婚約していても結婚と同等の権利義務がありました。それゆえ、姦淫した場合は男も女も石打の刑で殺されました。夫となるべきヨセフはマリヤが妊娠していることが分かった時、密かに離縁しようと思ったことがマタイの福音書には記されています。

 国際弁護士の佐々木兄から昨日メールをもらいました。千葉県の旧かずさ事業所の跡地を田辺三菱製薬株式会社から大和カルバリー教会が床面積5,000坪の建物、土地10430坪をわずか1万円で購入することが決まったそうです。教会ではこの跡地をバイブルセミナリーや心とからだの健康研究所、リーダーシップ研究所など、特に教育関係の働きに用いられるように計画しています。佐々木弁護士はこれを「ヨベルの年、神の奇跡がはじまりました」と書いてきました。

 私たちの個人生活の中でも、神は奇跡を行われることがあります。マリヤは「神にとって不可能なことはありません」というみ言葉をそのまま信じて救い主の母となりました。